量子コンピューター関連銘柄の本命株・出遅れ株まとめ

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次世代のコンピューターとして期待されている量子コンピューター。

膨大な処理をともなう計算を高速で実現する量子コンピューターは、創薬、金融、(AI)人工知能などへの応用が期待されることもあり、米中を筆頭に各国で開発競争が激化。

日本においても桁違いの計算能力の高さから実用化されれば社会を大きく変えると期待されることから研究開発が進められています。

今回は量子コンピューター関連銘柄が注目されている背景に加え、量子コンピューター関連銘柄の本命株、出遅れ株を合わせてご紹介いたします。

量子コンピューターの実用化

量子コンピューターの実用化は、研究開発が進み、社会に大きな影響を与えることが期待されています。特に、複雑な計算問題を解く力や、新薬開発、材料科学など、様々な分野への応用が期待されています。一方で、実用化には、ノイズやエラーの抑制、大規模化、量子ビットの安定化といった技術的な課題も多く、まだ時間がかかるとの見解もあります。

量子コンピューターの実用化で期待されること

複雑な問題解決

従来のコンピュータでは処理できないような、組み合わせ最適化や素因数分解などの計算を高速化できると期待されています。

新薬開発の加速

複雑な分子構造の解析や、新薬候補物質の探索を効率化できる可能性があります。

材料科学の進展

新しい材料の設計や、材料の特性を予測するシミュレーションを高速化できる可能性があります。

通信セキュリティの強化

量子暗号技術の開発が進み、より安全な通信が可能になる可能性があります。

量子シミュレーション

量子力学の理論を実証する新しい手段や、物質の開発を加速するツールとしての可能性が期待されています。

実用化に向けた課題

ノイズやエラーの抑制

量子ビットは非常に不安定で、ノイズやエラーの影響を受けやすいという課題があります。

大規模化

実用レベルの量子コンピューターを構築するためには、大量の量子ビットが必要ですが、量子ビット同士の干渉や相互作用が増えると、制御が困難になります。

量子ビットの安定化

量子ビットの寿命を長くし、安定動作を実現する必要があるため、研究開発が重要です。

エラー訂正技術

量子コンピュータで計算ミスが起こった場合に、そのミスを訂正する技術が必要になります。

上記のように量子コンピューターの実用化には、技術的な課題が残っていますが、多くの企業や研究機関が研究開発に取り組んでおり、今後の発展に期待が寄せられています。量子コンピューターが実用化されれば、様々な分野に革新的な変化をもたらすことが予想されます。

量子コンピューター関連銘柄【人気の本命株】

量子コンピューター関連銘柄 本命株【6701】NEC

【6701】NECは量子コンピューター分野において独自の技術開発と実用化を進める日本の先進企業です。同社は1999年に世界で初めて固体素子量子ビットの動作実証に成功し、以来、超伝導パラメトロン素子を用いた量子アニーリングマシンの開発に注力しています。この技術は、組合せ最適化問題の高速解決に適しており、物流や生産計画などの分野での応用が期待されています。

さらに、NECはベクトル型スーパーコンピュータ「SX-Aurora TSUBASA」を活用した疑似量子アニーリングサービス「NEC Vector Annealing」を提供し、企業の最適化課題解決を支援しています。このサービスは、豊田自動織機の出荷業務やNECグループ内の生産・配送計画の最適化に活用され、実務での効果が確認されています。

また、NECは東北大学や産業技術総合研究所と連携し、量子アニーリング技術の研究開発を進めています。これらの取り組みにより、NECは量子コンピューティング技術の社会実装と産業応用を推進し、次世代の計算基盤の構築に貢献しています。

量子コンピューター関連銘柄 本命株【6702】富士通

【6702】富士通は量子コンピューター分野で先進的な取り組みを展開しています。2025年4月、理化学研究所との共同開発により、256量子ビットの超伝導量子コンピューターを発表しました。このシステムは、3次元接続構造を採用し、量子ビットの高密度実装を実現しています。2025年度第1四半期から、ハイブリッド量子コンピューティングプラットフォームを通じて、企業や研究機関向けに提供が開始されました。

さらに、富士通は2026年度中に1,000量子ビットの超伝導量子コンピューターの構築を目指し、神奈川県川崎市の「Fujitsu Technology Park」に専用施設「量子棟」を建設中です。この施設は、量子コンピューターの実機展示や研究開発の拠点となる予定です。

ソフトウェア面では、2025年3月にオープンソースの量子コンピューター運用ソフトウェア「OQTOPUS」を公開し、量子コンピューターのクラウド運用を支援しています。また、40量子ビットの量子シミュレーターを常時稼働させ、創薬や金融分野での量子アプリケーション開発を推進しています。

これらの取り組みにより、富士通は量子コンピューターの実用化と社会実装に向けたリーダーシップを発揮しています。

量子コンピューター関連銘柄 本命株【9432】NTT

【9432】NTTは光通信技術を応用した「光量子コンピューター」の開発に注力しており、2024年11月には世界初の汎用型光量子計算プラットフォームを始動させました。この光量子コンピューターは、室温で動作可能であり、従来の1000倍以上の速度でリアルタイムな光量子もつれ生成を実現しています 。また、2025年1月には、万能な量子計算に必須の非線形操作を可能にする強い量子性を持つ光パルスの生成にも成功しました。

さらに、NTTは東京大学や理化学研究所と連携し、光量子コンピューターの実用化に向けた研究を進めています。これらの取り組みにより、NTTは量子コンピューティングの実用化と社会実装に向けたリーダーシップを発揮しています。

量子コンピューター関連銘柄 本命株【3687】フィックスターズ

【3687】フィックスターズは量子アニーリングやイジングマシンを活用した最適化計算クラウドプラットフォーム「Fixstars Amplify」を提供し、組合せ最適化問題の解決を支援しています。このプラットフォームは、富士通の「デジタルアニーラ」やD-Wave Systemsの量子コンピューターなど、複数の量子計算リソースに対応しており、ユーザーは多様な最適化手法を選択できます。

さらに、2024年11月には、理化学研究所（理研）やNTTと共同で、世界初の汎用型光量子計算プラットフォームを開発しました。このプラットフォームは、光方式による高速かつ大規模な量子計算を可能にし、クラウド経由での利用が開始されています。

また、フィックスターズは、量子コンピューティングの実用化を促進するため、教育機関や企業との連携を強化しています。例えば、早稲田大学との共同研究を通じて、組合せ最適化問題の解決に向けたアプローチを開発し、製造業や物流業界などへの応用を進めています。

量子コンピューター関連銘柄 本命株【3915】テラスカイ

【3915】テラスカイは2019年に量子コンピューターの研究開発を行う子会社「Quemix」を設立し、誤り耐性量子コンピューター（FTQC）向けのアルゴリズム開発に注力しています。Quemixは、量子化学計算アルゴリズム「PITE（確率的虚時間発展法）」を開発し、特許を取得しています。 また、2025年5月には、Hondaと共同で「量子状態を読み出す新技術」を開発し、世界初の量子コンピューター実機を用いた計算に成功しました。さらに、2024年11月にはSCSKと資本業務提携を締結し、量子コンピューターの実用化に向けた取り組みを強化しています。

量子コンピューター関連銘柄 本命株【4188】三菱ケミカルグループ

【4188】三菱ケミカルグループは量子コンピューター技術を活用した材料開発の先駆者として、国内外の研究機関や企業と連携し、先進的な取り組みを展開しています。2024年12月、同社はデロイト トーマツおよびイスラエルの量子ソフトウェア企業Classiqと共同で、有機EL材料探索における量子アルゴリズムの実装効率化を実証しました。この実証では、量子回路の最大97%の圧縮に成功し、量子コンピューターの早期実用化に向けた大きな一歩となりました。

さらに、三菱ケミカルは米国の量子コンピューター企業PsiQuantumおよび三菱UFJフィナンシャル・グループと連携し、エネルギー効率の高い材料設計に向けた研究を進めています。このプロジェクトでは、誤り耐性量子コンピューターを活用して、光変色分子の励起状態を高精度に解析し、スマートウィンドウや太陽エネルギー貯蔵などの応用を目指しています。

また、慶應義塾大学および日本IBMと共同で、光機能性物質のエネルギー計算に関する新たな手法「制約条件自動調整変分量子固有値法（VQE/AC法）」を開発し、IBMの量子コンピューター上で高精度な計算を実現しました。

量子コンピューター関連銘柄 本命株【6728】アルバック

【6728】アルバックは量子コンピューター分野において、極低温技術の開発を通じて重要な役割を果たしています。同社は、超伝導量子ビットの安定動作に不可欠な10ミリケルビン（mK）級の極低温環境を提供する希釈冷凍機を開発し、2025年4月に大阪大学の量子情報・量子生命研究センターに設置しました。この取り組みは、日本初の純国産量子コンピューターの構築に貢献しています。

アルバックの希釈冷凍機は、冷却効率の最大化と振動抑制を両立し、極低温下での構造部品の熱収縮への対応など、多岐にわたる技術課題を解決しています。また、将来的な大規模量子プロセッサへの対応を見据えたモジュール設計を採用し、研究開発から社会実装まで幅広いステージに対応可能な構成となっています。

さらに、アルバックはIBMと連携し、同社の超伝導量子ビット方式量子コンピューターの仕様に適合する次世代希釈冷凍機システムの開発を進めています。この取り組みにより、世界の量子コンピューティング産業の発展を後押しすると同時に、極低温分野におけるグローバルサプライチェーンの強化にも貢献しています。

量子コンピューター関連銘柄 本命株【8012】長瀬産業

【8012】長瀬産業は量子コンピューター分野において、IBMが主導する研究コンソーシアム「IBM Research Frontiers Institute（RFI）」の設立メンバーとして参画し、先端IT素材の開発に取り組んでいます。また、IBMの商用量子コンピューティングネットワーク「IBM Q Network」にも参加し、量子コンピューターの実用化に向けた共同研究を進めています。

さらに、米国の量子ドットメーカーであるNanosys社に出資し、同社製品の総代理店として、量子ドット技術の普及にも貢献しています。これらの取り組みにより、長瀬産業は量子コンピューター関連銘柄として注目されています。

量子コンピューター関連銘柄 本命株【8015】豊田通商

【8015】豊田通商は量子コンピューター分野において多角的な取り組みを展開しています。2017年には、カナダのD-Wave Systems社と協業覚書を締結し、量子アニーリング技術を活用した最適化ソリューションの開発を開始しました。また、デンソーと共同で、タイ・バンコクにおける渋滞緩和を目的とした実証実験を実施し、交通信号の最適化に量子コンピューターを活用する試みを行っています。

2022年には、量子化学計算ソフトウェア「Qamuy」を開発するQunaSys社と資本業務提携を締結し、化学素材開発における量子コンピューターの活用を推進。さらに、2025年4月には、米国のIonQ社と販売代理店契約を締結し、IonQのイオントラップ型量子コンピューターの日本市場への展開を開始しました。

量子コンピューター関連銘柄 本命株【6597】HPCシステムズ

【6597】HPCシステムズはハイパフォーマンスコンピューティング（HPC）分野のニッチトップ企業として、量子コンピューター関連事業に注力しています。同社は、量子コンピューターを活用した量子化学計算クラウドサービス「Qamuy」を提供しており、電池材料や光応答材料などの分子構造最適化や反応経路探索、バンド構造計算などを可能にしています。

また、量子コンピューターアプリケーション開発企業QunaSysと資本業務提携を締結し、量子化学計算領域の技術開発を共同で進めています。

量子コンピューター関連銘柄 本命株【6501】日立製作所

【6501】日立製作所は量子コンピューター分野において、シリコン量子ビットを用いた大規模集積型量子コンピューターの開発に注力しています。同社は、政府のムーンショット型研究開発事業「目標6」に採択され、2030年までにNISQ（Noisy Intermediate-Scale Quantum）量子コンピューターの開発、2050年までに誤り耐性型汎用量子コンピューターの実現を目指しています。

また、日立は「シャトリング量子ビット方式」を提案し、量子ビットの移動による大規模化とエラー抑制を両立させる技術開発を進めています。さらに、日立は「CMOSアニーリング」と呼ばれる技術を開発し、大規模な組合せ最適化問題を高速に解く計算技術として、保険引き受け業務などでの実用化を進めています。

量子コンピューター関連銘柄 本命株【6521】オキサイド

【6521】オキサイドは光学単結晶やレーザー光源の製造に強みを持つ企業で、量子コンピューター関連分野への取り組みを積極的に進めています。同社は、量子通信の中核技術である量子もつれ光源モジュールの開発に注力しており、イスラエルのRaicol社を買収することで、量子暗号通信分野での製品開発を加速させています。

また、長距離量子通信の実用化を目指すLQUOM社と資本業務提携を締結し、量子中継器に使用される高品質光学単結晶や波長変換素子の供給を行っています。さらに、オキサイドはNTTグループとの資本関係を持ち、次世代通信インフラ構想「IOWN」に関連する技術開発にも関与しています。

量子コンピューター関連銘柄 本命株【6965】浜松ホトニクス

【6965】浜松ホトニクスは光技術を基盤とした製品開発を行う企業で、量子コンピューター分野にも積極的に取り組んでいます。同社は、量子コンピューターの実用化に向けた「量子ビジネス戦略室」を設立し、量子コンピューター、量子通信、量子センシングの各分野での技術開発を推進しています。

具体的な取り組みとして、イスラエルのQuantum Machines社との協業により、量子制御システムの強化を図っています。この協業は、量子測定の精度と速度を高めることを目的としており、量子コンピューティングの進展に寄与しています。

また、同社の「ORCA-Quest」qCMOSカメラは、光子数を識別する能力を持ち、量子コンピューターの中性原子イメージングにおいて重要な役割を果たしています。このカメラは、エラー訂正型中性原子量子コンピューターのmid-circuitイメージング用として採用されており、量子情報処理の精度向上に貢献しています。

さらに自然科学研究機構 分子科学研究所が主導する「冷却原子（中性原子）方式」量子コンピューターの開発プロジェクトにも参画しています。このプロジェクトでは、国産量子コンピューターの実用化を目指し、産業界と連携した取り組みが進められています。

量子コンピューター関連銘柄 本命株【9719】SCSK

【9719】SCSKは量子コンピューター分野において、ソフトウェア開発やシミュレーション技術を中心に多角的な取り組みを進めています。2024年11月には、量子アルゴリズム開発を手がけるQuemixと資本業務提携を締結し、材料計算市場での事業拡大と量子コンピューターの社会実装に向けた研究開発を加速しています。

また独自の量子AIアルゴリズムを搭載した量子回路シミュレーターを開発し、従来比約1,000万倍の高速化を実現しました。さらに、東京大学が主導する「量子ソフトウェアとHPC・シミュレーション技術の共創によるサスティナブルAI研究拠点」プロジェクトに参画し、量子機械学習の実用化に向けた取り組みを進めています。

量子コンピューター関連銘柄【注目の出遅れ株】

量子コンピューター関連銘柄 出遅れ株【3131】シンデン・ハイテックス

【3131】シンデン・ハイテックスは半導体や液晶製品を取り扱う専門商社であり、近年では量子コンピューター分野への進出を図っています。2023年4月、同社は量子コンピューター向けクラウドサービスやアプリケーション開発を手掛けるblueqat（ブルーキャット）と提携し、量子コンピューター市場への参入を発表しました。

この提携により、シンデン・ハイテックスはblueqatが提供するGPUクラウド上での量子コンピューティングサービスの紹介を開始しました。blueqatのサービスは、量子ゲート方式や量子アニーリング方式のシミュレーションを可能にし、量子コンピューターと古典コンピューターのハイブリッド活用を支援しています。さらに、シンデン・ハイテックスはblueqatの株主としても名を連ねており、資本面からも量子コンピューター分野への関与を強めています。

量子コンピューター関連銘柄 出遅れ株【4069】BlueMeme

【4069】BlueMemeはローコード開発やDX支援を手がけるIT企業でありながら、量子コンピューター分野にも積極的に取り組んでいます。2022年4月には京都大学と共同で、量子コンピューターを用いたゲノム解析の研究を開始し、従来の古典コンピューターでは困難だった大規模データの高速処理を目指しています。

さらに、2023年4月からは九州大学と連携し、量子AIを活用したバイオメディカル分野向けの大規模言語モデル（LLM）の構築に取り組んでいます。この研究では、量子コンピューターの計算能力とAI技術を組み合わせることで、従来のAIよりも高度で高速な処理を実現し、医療研究や臨床治療への応用を目指しています。これらの産学連携を通じて、BlueMemeは量子コンピューター技術の社会実装を推進しています。

量子コンピューター関連銘柄 出遅れ株【4183】三井化学

【4183】三井化学は量子コンピューター技術を活用した研究開発に積極的に取り組んでいます。2021年には、量子アニーリング技術を提供するシグマアイ社と共同で、化合物探索や組成配合の最適化に関する応用実証研究を開始しました。この取り組みでは、量子アニーリングを用いたブラックボックス最適化技術を活用し、材料開発の効率化を目指しています。

さらに、2024年には量子コンピューターとAI技術を組み合わせた新たなプロジェクトを開始しました。同社は、量子コンピューティング企業blueqatと協力し、自然言語処理モデル「SimCSE」とテンソルネットワーク技術を活用して、特許データベースからの新規用途発見を加速させる取り組みを進めています。

量子コンピューター関連銘柄 出遅れ株【6807】日本航空電子工業

【6807】日本航空電子工業は量子コンピューター分野において、周辺技術の開発を通じて間接的に関与しています。同社は、量子コンピューターなどの最先端装置向けに、非磁性対応SMPM同軸コネクタを試作開発しました。このコネクタは、小型で超低温環境にも対応できる特性を持ち、量子コンピューターの正常動作を妨げる磁性の影響を受けない設計となっています。

さらに、同社は次世代通信や将来の量子コンピューターに向けた技術開発も推進しており、量子ジャイロスコープや重力勾配計の研究開発にも取り組んでいます。

量子コンピューター関連銘柄 出遅れ株【6864】エヌエフホールディングス

【6864】エヌエフホールディングスは量子コンピューター分野において、低雑音信号処理技術を活用した計測機器や電源機器の提供を通じて、間接的に関与しています。1995年には、超伝導素子を用いたジョセフソンコンピューターの研究用に低雑音増幅器と電源の開発を依頼されるなど、早期から量子技術に携わってきました。

同社は、2025年3月期の決算において、量子コンピューター関連市場の開拓強化に注力したことを報告しています。 また、大阪大学との共同研究講座を開設し、量子コンピュータ研究拠点への参画を行うなど、産学連携による技術開発も進めています。

量子コンピューター関連銘柄 出遅れ株【6838】多摩川ホールディングス

【6838】多摩川ホールディングスは量子コンピューター関連分野において、量子暗号通信や量子センシング技術の開発を通じて間接的に関与しています。同社は、東北大学と共同で小型原子時計用のガスセルを開発し、東京大学にて量子センサーとしての実証に成功しました。この成果は、宇宙の暗黒物質ダークマターの検出研究に活用されるなど、先進的な応用が期待されています。

また、同社は量子暗号通信技術の実用化に向けた取り組みも進めており、量子暗号通信向けのデバイス開発を行っています。2024年3月には、東北大学や北海道大学と共同で、米国物理学会（APS March Meeting 2024）において、量子暗号通信向けの開発成果を発表しました。さらに、同社は2022年12月に量子インターネット事業への新規参入を発表し、量子暗号通信などのネットセキュリティー事業への展開を目指しています。

量子コンピューター関連銘柄 出遅れ株【7713】シグマ光機

【7713】シグマ光機は光学部品や精密位置決め装置の製造を手がける企業で、量子コンピューター分野においても重要な役割を果たしています。同社は、ナノレベルでの位置制御が可能なステージや、レーザー光を透過・反射に分けるビームスプリッターなど、量子光学実験に不可欠な製品を提供しており、研究機関や大学での採用実績があります。

また政府主導の「戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）」に参画し、光格子時計の超高精度な光周波数信号を遠隔地に配信するための光ファイバ配信技術の開発に取り組んでいます。さらに、同社は、光格子時計の小型化・可搬化を目指すプロジェクトにも参画しており、量子コンピューターや量子通信などの先端技術の実用化に貢献しています。

量子コンピューター関連銘柄 出遅れ株【5582】グリッド

【5582】グリッドは社会インフラ向けのAIソリューションを展開する企業で、量子コンピューター分野にも積極的に取り組んでいます。2017年から量子アルゴリズムの研究開発を開始し、量子モンテカルロ法や量子オートエンコーダー、量子誤差逆伝搬法、量子SVMなどの技術を開発しています。これらの技術は、計算速度や最適化精度の向上を目指しています。

また、2022年11月にはトヨタ自動車と量子機械学習の研究分野で協業を発表し、量子コンピューターの実用化に向けた取り組みを加速。2024年度には新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の「量子・古典ハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」に採択され、量子コンピューターの社会実装に向けた研究開発を進めています。

まとめ

今回は量子コンピューター関連株の本命株、出遅れ株をご紹介させて頂きました。

量子コンピューターはあらゆる分野での活用が期待されていることから、多くのテーマ株に関連してくる一大テーマとも言えます。

関連するニュースなどが報じられるたびに短期的な物色が期待できますし、長期的な目線でも実用化に向けた動きを考慮すれば、息の長いテーマとなり得るため、量子コンピューター関連銘柄への注目度はますます高まると予想されます。本記事を銘柄選定の参考にしていただければ幸いです。

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