割安株(バリュー株)とは、本来の価値よりも割安な株価水準で放置されている株のことです。
好業績にも関わらず、お買い得な株価であることから、株初心者でもリスクを抑えて稼ぎやすいという魅力を持つ割安株を狙っているという方も多いのではないでしょうか?
実際に割安株を買い付けるためには、PER・PBRといった指標から割安度の高い銘柄を絞り込み、今後の業績に不安材料が無いか?を確かめることが必要不可欠です。
このページでは、割安株(バリュー株)とは?といった基本的な部分はもちろんのこと、割安株の探し方やメリット・デメリットまで分かりやすくご紹介します。
Contents
割安株(バリュー株)とは?初心者にオススメな優良株!
「株は安い時に買って高くなったら売る」。
株式投資に興味を持った方であれば、一度はこうした言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか?
このお手本のような取引を実践するのに適した銘柄こそ、「割安株(バリュー株)」です。
割安株は、好調な業績を出しているにも関わらず、割安な株価水準で放置されているため、株価下落のリスクを避けて、長期的な利益を狙いやすいといった初心者に適した優れた特徴をもちます。
株初心者にオススメの優良銘柄「割安株」とは、どのような魅力を秘めているのか?また、対照的な銘柄とみられる「グロース株」との違いとは?割安株の基本的な知識や特徴を交えて解説していきます。
割安株の特徴と魅力
割安株の大きな特徴は、中長期の運用で堅実的にコツコツと利益を積み上げていけること。
企業の経営状態が良好なのに「割安な状態で放置されている」ということは、市場の評価や知名度が企業価値に対して遅れていることを意味します。
遅れた評価や知名度は、企業が本来持つ良好な業績が明らかになるにつれて追いつき、”株価の上昇”というわかりやすい形で表れます。
割安株に投資するということは、この企業価値と市場評価のギャップに目を付けて、お買い得なタイミングで株を買う。ということになるわけです。
では具体的に、割安株とはどのような銘柄なのか?その特徴とその魅力とは何か?私たちに身近な銘柄を例にしてご紹介していきます。
上記の画像は、ショッピングモールやミニストップ・マックスバリューなどを全国展開する国内流通の大手、生活に密着したスーパーでお馴染みの「イオン(8267)」の株価チャートです。
イオンは、2015年から2019年現在まで黒字決算を継続していることからその割安性に注目が集まり、長きに渡って右肩上がりの株価を描いてきました。仮に安値で100株だけ買った場合でも、
- 1400円×100株=140,000円
- 2,792円×100株=279,200円
- 279,200円-140,000円=139,200円
139,200円もの利益を得られた計算になります。
さらにイオンは、系列店で買い物する際の3%キャッシュバックやレストランでの食事が10%割引になる株主優待も有名で、この他にも、配当金や保有株数に応じたギフトカードのプレゼントなど、多くの特典があります。
もちろん、銘柄によっては自社製品や割引券など、受け取れる株主優待に違いはありますが、どれも投資家にとって嬉しいものばかりです。このように、割安株は一度買ってしまえば長期保有しておくことで、”値上がり益”だけでなく、”配当金”や”株主優待”を受け取れることも魅力の1つと言えます。
また、株式投資の世界ではたびたび、バリュー株と対を成すグロース株とどちらの方が儲けられるか?といった専門家でも意見が分かれる議論が行われています。 次は、バリュー株とグロース株の違いをご紹介します。
バリュー株とグロース株の違い
「バリュー株」とよく比較される「グロース株」、株初心者の方であれば、それぞれの特徴や違いを比較して、自分の投資スタイルに合った銘柄かどうか知りたい。という方も多いのではないでしょうか?
バリュー株とグロース株の違いは、割安性で買うか成長性で買うかの違いです。
一般的にバリュー株は、その割安性から適正株価への戻りを期待して購入します。それに対し、成長株とも呼ばれるグロース株は、企業が属する市場の成長性などから、多少割高でも今後の持続的な成長を見込んで購入する株式です。
一見すると、グロース株の方が大きく儲けられそう、と感じます。しかし、株価は業績や売買材料の発表、買われ過ぎ・売られ過ぎといった思惑によって変動し続けるため、一概にどちらかを選べば必ず大きく儲けられるとは言えません。
そこで重要になるのが、バリュー株とグロース株のメリットやデメリット、実際の探し方などを理解し、自分の思い描く投資スタイルに近い株式を選択することです。
バリュー投資とグロース投資の違いが分かったところで、次は「PER」と「PBR」を使った割安株の探し方をご紹介します。
【割安株の探し方】PERとPBRに注目!
ローリスクで初心者でも稼ぎやすい割安株。 割安な状態で放置されたお買い得な銘柄を見つけるためには、一体どのような方法があるのでしょうか?その代表的な方法が、「PER(株価収益率)」と「PER(株価純資産倍率)」指標をつかった探し方です。
株の割安度はPER15倍以下、PBR1倍未満が目安
PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)は、企業の収益率や資産内容から株価の割安度を判断する指標で、一般的に株の割安度は、「PERは15倍以下、PBRは1倍未満が目安」とされています。
指標 | 意味 | 計算式 |
---|---|---|
PER | 株価が1株あたり利益の何倍になっているのかを表す指標 数値が大きければ割高、小さければ割安 | PER=株価÷EPS(1株あたり利益) |
PBR | 株価が1株あたり純資産の何倍になっているのかを表す指標 数値が大きければ割高、小さければ割安 | PBR=株価÷BPS(1株あたり純資産) |
例えば、EPSが400円、BPSが5000円、株価が4000円のA企業とEPSが200円、BPSが5000円、株価が6000円のB企業があったとして、どちらが割安かPERとPBRを計算した場合、
A企業
- 4000円÷400円=PER10倍
- 4000円÷5000円=PBR0.8倍
B企業
- 6000円÷200円=PER30倍
- 6000円÷5000円=PBR1.2倍
つまり、A企業は、EPSの10倍の株価かつ5000円の資産を保有しているにも関わらず、4000円の株価で売られているため、B企業よりも割安だと言えます。このように、PERとPBRを計算することで、割安株を誰でも簡単に見つけられます。
PER・PBRを用いた割安株の探し方が理解できれば、後は実際に買い付けるだけです。しかし、実際には指標だけでは見抜けない悪材料を抱えた割安株もあり、割安で放置されている理由に気づけなければ思わぬ損失を被ってしまう可能性もあります。
そうならないためにも、メリットはもちろん、デメリットまできちんと把握しておきましょう。次は、バリュー投資のメリット・デメリットをご紹介します。
バリュー株投資のメリット・デメリット
「安く買って高く売る」を前提とする正統派の投資手法と言えるバリュー投資。 初心者でもリスクを抑えて稼ぎやすいというメリットを持つ反面、利益を得るまでに時間がかかることや割安な銘柄を探すのが難しいといったデメリットも持ち合わせています。
そこで、バリュー投資で利益を手に入れ、思わぬ損失を防ぐためにも具体的なメリット・デメリットを見ていきましょう。
バリュー投資のメリット
バリュー投資のメリットは、含み損のリスクを抑え、安定した長期投資が可能なことです。 基本的にバリュー投資は、市場からの関心が薄い銘柄を購入し、長期保有で配当を受け取りながら適正株価への戻りを待ちます。
つまり、適正株価を下回ったお買い得な状態で株を購入するため、購入価格から更に下落し、含み損を抱えるリスクが低く、株価の大きな変動によって不安になることも少ないと言えるでしょう。
また、市場からの注目度が薄い割安株は、資金流入が少なく安定した値動きを見せます。そのため、バリュー投資は、一度買ってしまえば放置しておけるので、株価を毎日チェックする必要もなく、日中は仕事や家事で忙しいという方や株式投資を始めたばかりの初心者でも安心して実践できる投資法です。
バリュー投資のデメリット
バリュー投資のデメリットは、利益を得るまでに時間がかかり、割安な銘柄を探すのが難しいことです。
割安株は、メリットでも触れたように、そもそも市場からの注目度が低いことから、巷で話題になるような株と比べて値動きが乏しい傾向にあります。つまり、放置で手間をかけず投資できるかわりに、企業価値が株価に反映されるまで時間がかかってしまうということです。
そのため、多少株価が下落しても焦らないように、銘柄を買い付ける際は資金に余裕を残し、あくまで長期投資で利益を得るのがバリュー投資ということを頭に入れておきましょう。
また、【割安株の探し方】PERとPBRに注目!でもご紹介した指標で見つけた割安株の中には、実は財務状況が悪かったり、業績悪化が懸念されているなどの理由から今後の業績が不安視されている場合もあります。
つまり、割安で放置されている株には、それなりの理由があるため、PERやPBRといった指標だけでなく、同業種と比べて不安材料が無いか?よく調べて本当の割安株を買い付けられるようにしましょう。
まとめ:本当の割安株を誰でも簡単に買い付ける方法とは?
ここまで、割安株(バリュー株)とは?といった基本的な部分から、割安株の見つけ方やメリット・デメリットまでご紹介してきました。
本当の割安株を見つけ出すためには、PERとPBRでスクリーニングした後、財務状況や業績悪化などの不安材料が無いかどうか見極めることが重要です。
しかし、日中は仕事や家事で忙しい方からすれば、せっかく買った後に放置で利益を得られるのが最大の醍醐味である割安株にも関わらず、”時間を割く必要があるなら実践しづらい”と感じる方も多いのではないでしょうか?
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