株式や債券などの資産を保有中に得られる収益のため、インカムゲインとも呼ばれています。
今回は配当金で利益を得るために知っておくべきことや、配当金のメリット・デメリットについてご紹介いたします。
Contents
配当金を狙うために知っておくべきこと
① 配当金の仕組み
株主は出資比率(持ち株数)に応じて利益の還元を受ける権利(利益配当請求権を持っています。
企業の利益の状況で配当金の有無・増減が決定されます。
1年間で会社が株主に支払う配当の回数は主に年1回か2回。年1回の会社は、3カ月ごとの決算発表(第1四半期、第2四半期、第3四半期、本決算)のうち、本決算時に配当を支払い、年2回の会社は第2四半期の決算時、2回目は本決算時に株を保有している株主に配当を支払います。
配当金を受け取るには、「権利確定日」の2営業日前、「権利付き最終日」までに株を保有する必要があります。
配当金には一般的に決算によって確定する財務状況を踏まえ、株主総会の承認を得て分配される配当(剰余金の配当)や、一事業年度中の決算期以外(期末配当とは別)に株主に分配される配当(中間配当)があり、配当を中断していた企業が配当を復活させることを復配、また配当を増やすことを増配、配当を減らすことを減配、配当を出さないことを無配といった専門用語もあります。
これらが発表されると株価に直せう影響を与えるケースもあります。
② 配当金の受け取り方
配当金の受け取り方は主に以下の4種類。
- 郵便振替支払通知書(または配当金領収証)による方法
- 株式数比例配分方式
- 登録配当金受領口座方式
- 個別銘柄指定方式
① 郵便振替支払通知書(または配当金領収証)による方法
発行会社から届出住所へ「郵便振替支払通知書」、または「配当金領収証」が郵送されますので、自分で配当金を受け取る必要があります。
② 株式数比例配分方式
証券会社の口座で受領する方法です。複数の証券会社に口座を開設されている場合には、預けている株数に応じて各証券会社の口座に配当金が振込まれます。
詳しい方法についてはお持ちの証券口座で確認しましょう。
③ 登録配当金受領口座方式
銀行等の金融機関口座で受領する方法です。あらかじめ指定した単一の金融機関口座に、すべての銘柄(他の証券会社で保有する銘柄も含む)の配当金が振込まれます。
④ 個別銘柄指定方式
銀行等金融機関口座で受領する方法です。
登録配当金受領口座方式とは異なり、銘柄毎に手続きを行います。
指定していない銘柄については登録している銀行で受領することができませんので注意が必要です。
③ 配当金の計算方法
配当金を計算する上で重要なのが「配当利回り」と「配当性向」。
配当利回りとは、株価に対して1年間に受取る配当金の金額の割合を示す指標のこと。
・配当利回りの計算式
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金の合計額÷株価×100
株価の変動によって配当利回りも変化します。
配当の金額は会社から1年間の「1株あたりの配当予想」が示され、それに基づいて配当が行われます。基本的に決算シーズンに公表される「決算短信(決算発表時に公表される決算速報)」から配当金額を知ることができます。
配当利回りは一般的に1%台では低く、2%台なら普通、3%を超える場合は「高配当銘柄」と呼ばれます。
せっかく配当狙いで投資するのであれば、多くの配当金がもらえる方がいいので、配当目的の株式投資では「高配当銘柄」が狙われる傾向があります。
配当性向(はいとうせいこう)とは、その期の純利益(税引後の当期純利益)から、どのくらい配当金を支払っているかの割合を示す指標のこと。
・配当性向の計算式
配当性向(%)=1株当たりの配当金の金額÷1株当たりの当期純利益×100
配当性向が低い企業は、配当をせずに内部留保している割合が高く、反対に配当性向が高い企業は、株主に多くの利益を還元しているということになります。
一般的には20%~30%くらいが多いようですが、配当性向が100%を超えている場合は、当期純利益を超えた金額を配当に回している状況を意味しており、企業からお金が流出している状況だと言えますので、あまりいいものではないようです。
配当金のメリット
値上がり益が得られるのは売却時の1度だけですが、配当金は無配でない限り、毎年(または毎期)受け取れるため、「配当金生活」という言葉もあるくらいですので、メリットもあります。
- 安定的な収入が期待できる
- 株価が暴落しても値上がり益よりは安心して保有できる
- 配当だけでなく、株主優待も受け取れる銘柄がある
配当金は株を保有しているだけで受け取れるので、銀行にお金を預けるだけでもらえる「金利」と似ています。
値上がり益は株価が常に変動しているため、ハイリスク・ハイリターン。
しかし配当金は減配リスクはあるものの、ある程度安定しているというメリットがあります。
また株価が暴落した場合、企業の業績などに直接的な影響が少なかったり、世界情勢などの外部要因がきっかけであれば値上がり益を狙った投資手法よりはメンタル的にも安心できます。
そして株主優待も受け取れる銘柄を選んで投資すれば、配当と株主優待の両方を受け取れる場合もあるので魅力的です。
配当金のデメリット
株の場合は銀行の預金とは違い、株価が常に変動するという点においてはデメリットとなりえます。
- 減配リスクがある
- 元本が減る可能性がある
- 購入時期によっては配当が受け取れない
一時的な株価暴落の場合は値上がり益を狙う投資手法より安心できる部分はありますが、根本的に業績など企業が原因で株価が戻ってくる見込みの薄い値下がりは、そもそもの元本に影響を与えます。
受け取る配当金以上に資産価値が減少すると、資産総額がマイナスになるので注意が必要です。
配当は約束されたものではなく、業績が悪化すれば減配や無配になる可能性もあります。そうなれば、ほぼ間違いなく株価は下落しますので、注意しましょう。
また配当金を受け取るには、「権利確定日」の2営業日前、「権利付き最終日」までに株を保有する必要があります。
そのため、配当金を目的として株を買う際は必ず、権利確定日を確認しておきましょう。
高配当銘柄を狙う
株初心者が株式投資を行う上で比較的安全で確実に得られる利益なのが配当金。
このメリット・デメリットを6つご紹介しました。
高配当銘柄を狙うために、「最新の配当利回りランキング!高配当トップ20銘柄」も公開していますので、是非こちらもあわせてご覧ください。
企業が株主に利益を分配することを配当といい、株主が保有する株数に比例して分配されます。